教室案内

MESSAGES FROM THE PROFESSOR
教授あいさつ

知識と技術を生かし、
ベストを尽くし病に対峙

教授 渡邉 督

Tadashi Watanabe

2024年6月に当教室の主任教授を拝命いたしました渡邉督と申します。
脳神経外科は脳卒中、脳腫瘍、脳血管疾患、頭部外傷、脊椎脊髄疾患、先天奇形や水頭症、三叉神経痛、顔面けいれんなど、外科手術による治療を行う技術者集団です。当科の特徴はなるべく小さな傷で手術を行う“低侵襲手術”を得意とすることです。私自身は内視鏡を使った手術に長年取り組んでまいりました。鼻の穴から内視鏡を使って下垂体腫瘍などを摘出したり、小さな開頭から内視鏡と外視鏡を使って手術を行ったり、直径10㎜ほどの透明の筒を脳に挿入して内視鏡観察下に脳内腫瘍、脳室内腫瘍をとったりしています。傷が小さく脳への負担も軽いので術後の回復が早いのを実感しています。脳動脈瘤や内頚動脈狭窄症にはカテーテルを使った脳血管内治療を行っています。先代の宮地茂前教授が立ち上げた脳血管内治療センターは豊富な経験をもつ専門家が積極的に治療を行っています。動脈瘤の手術は開頭術が基本であった時代に比べ、血管内治療は体への負担が軽く短時間で完了できます。名誉教授であります中川洋先生、高安正和先生から引き継がれている歴史ある脊椎脊髄センターでは数多くの難症例を治療しており、脊椎疾患に対しての低侵襲内視鏡治療にも取り組んでいます。
当教室は臨床家の職人として、第一に疾患に苦しむ患者さんのために働きます。いかに患者さんの負担を軽くして目的を達成するかを常に考えます。患者さんそしてご家族とともに、我々の経験、知識と技術を生かし、ベストを尽くし病に対峙します。
また最高の治療を提供するためには、チームワークが重要です。当教室はメンバー一人一人がのびのびと力を発揮できるよう心掛けています。我々のチームは敬意と信頼で結びつくファミリーといっていいでしょう。医療は日進月歩です。日々の診療の中で、より安全で、より根治的で、より負担の軽い治療ができるよう、自由な発想でこの領域の発展に貢献したいと思っています。

OUR History
教室の沿革

愛知医科大学脳神経外科教室の開講は1973年(昭和48年)10月1日であります。名古屋大学第一外科出身の岩田金治郎先生が米国での留学を終了して帰国し,初代主任教授として脳神経外科学講座がスタートしました。専門は神経外傷,脳血管障害など多岐にわたり,頭蓋内圧コントロールや中枢神経疾患の画像診断等の研究に取り組まれ、当初より脳神経外科学会の研修認定施設A項目指定を得ることができました。

1980年(昭和55年)1月にNew YorkのMount Sinai Medical CenterでMalis教授のもと10年にわたり米国で臨床活動をされていた中川洋先生が帰国して助教授として着任し,1994年(平成6年)3月に2代目主任教授に就任しました。中川教授は脳神経外科分野における脊椎脊髄外科の普及に尽力し,初代の日本脊髄外科学会理事長を務め、また国内を始めアジア各国からのspine fellowを積極的に受け入れました。

2006年(平成18年)4月,3代目主任教授として高安正和先生が就任しました。高安教授は前名古屋大学教授杉田虔一郎の指導を受け,脳血管障害,脊椎脊髄外科を中心に専門とし,日本脊髄外科学会の発展にも貢献された他、特に低侵襲脊椎脊髄外科,頭蓋頚椎移行部外科の発展に尽力されました。また米国留学中に行ってきた脳微小循環の研究を発展させ、教室内での基礎研究にも力を入れられました。

2019年(平成31年)4月,脳血管内治療を専門とする宮地茂先生が4代目主任教授に就任し,脳血管内治療をはじめとする低侵襲医療を当院の目玉としました。血管内治療においては被曝の少ない短時間で最も効率的な治療を、開頭手術としては外・内視鏡手術を中心とし、キーホールサージェリーを、脊髄・脊椎手術では、O-armを駆使した正確で無駄のない手術を行うなど、低侵襲医療を実践してきました。また令和2年からは、神経内科とタイアップしたパーキンソン病総合治療センターが開設され、低侵襲医療のもう一つの柱としての定位脳手術が本格的に始まりました。さらに令和3年には、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、形成外科、眼形成・眼窩・涙道外科ともに頭蓋底外科センターが発足し、脳腫瘍、頭蓋底腫瘍外科治療の新たな拠点として活動してきました。

2024年(令和6年)6月,渡邉督先生が5代目主任教授に就任しました。

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