外視鏡手術研究会代表幹事
宮地 茂 (愛知医科大学 脳神経外科主任教授)
第1回外視鏡手術研究会運営委員長
渡邊 督 (愛知医科大学 脳神経外科准教授)
近年脳神経外科領域において、顕微鏡手術に変わる鏡視下手術のオプションとして、外視鏡を用いた治療が急速に普及してまいりました。すでに国内でも相当数の施設で採用され、日々活用されております。従来の双眼直視下の手術とは異なり、偏光メガネをかけて三次元モニター画面内の手術野を見ながら手元操作をするという、治療環境も治療スタイルも全く異なる手術法であります。内視鏡操作に近似するとはいうものの、正確な操作を行うためには機器の特性についての知識と十分な経験が必要な極めて高度な手技と思われます。外視鏡手術につきましては内視鏡のような認定資格は必要ありませんが、やはり機器に不慣れな術者の場合は操作不良や事故が生じるリスクは低いとは言えません。そこでこの安全で確実な手術技術を確立し、啓蒙するために、治療経験から得たノウハウの共有を行うとともに、今後この治療に習熟したい医師への教育を目的とした意見交換、情報共有の場が必要とのことから、本研究会が立ち上がりました。 第1回は、愛知ハンズオンセミナーのサテライトセミナーとして7月18日(日)に、WEBによるオンラインで開催とさせていただきました。外視鏡手術を多く経験している全国のエキスパートの先生に、それぞれの使用経験や成果をお話しいただき、教育的症例の提示、治療における工夫、トラブルシューティングなど自由にご発表いただくとともに、ビギナーからの質疑応答も含めたat homeな会となりました。休日にもかかわらず70名のオンライン参加をいただきまして、盛会裏に終了することができました。
外視鏡手術は我が国ではまだ少数の施設に限られておりますが、今後顕微鏡手術に代わり、内視鏡手術とのコラボや互換性なども含めて発展していくものと思われます。まだ未成熟な部分もあるかもしれませんが、光学技術やIT技術の融合により、小型化、ヘッドマウントなどのハードウェアに加えて、バーチャルトレーニング、術中画像のfusionなど付加価値が望める将来性のあるツールと存じます。この手術法をさらに発展普及させていくために、オピニオンリーダーの先生を中心に定期的な意見交換が必要と考えます。次顕微鏡時代から新しい時代への移行期にあたる現在、近未来を見据えた先進的な取り組みを行っていくために、是非とも皆さんとともに前向きに進んでまいりたいと思います。第二回も本年の愛知ハンズオンワークショップに合わせて企画いたしたいと思います。本会が脳神経外科の発展と、皆様の日常臨床にお役に立ちますなら幸甚です。
参加費は無料です。みなさまの御参加を心よりお待ち申し上げます。