診療案内

脳腫瘍、低侵襲直達外科

BRAIN TUMOR, MINIMALLY INVASIVE DIRECT SURGICAL
脳腫瘍、低侵襲直達外科チーム

MEMBER

Koji Osuka

大須賀 浩二

Tadashi Watanabe

渡邉 督

Kenichiro Iwami

岩味 健一郎

主な対象疾患

脳腫瘍
髄膜腫、下垂体腺腫、聴神経鞘腫、頭蓋咽頭腫、脊索腫、類上皮腫、神経膠腫など
三叉神経痛、顔面けいれん
内視鏡を使った神経血管減圧術を行います
頭蓋底悪性腫瘍
鼻科、形成外科と合同手術を行います
直達手術を要する脳血管障害
脳出血、脳動脈瘤、脳動静脈奇形、バイパス術を要する脳虚血など

我々の取り組んでいる治療法について

内視鏡・外視鏡を使った小開頭手術

2019年9月より当院では3D 外視鏡(Storz VITOM)を導入し、4K内視鏡も利用して低侵襲手術に取り組んでいます。3D外視鏡とは、従来の手術用顕微鏡にかわる機器で、小さな鏡体が術野をとらえ、高精細モニターに映し出された画面を見て手術を行います。小さいことに加えて、視線の自由度が高いために、患者様と術者は無理な姿勢を取らずに安全な手術ができます。この方法を導入以降、うつ伏せや横向きの姿勢での手術は激減し、麻酔のリスクや、褥瘡のリスクの軽減に貢献しています。さらに内視鏡をうまく使うことによって、小さな入り口から頭蓋内の隅々まで観察できるようになります。従来の手術法では開頭や手術創を大きくして、さまざまな方向から観察、操作していた手術を、小さな傷で同じ結果が出せるようになりました。そのためには、内視鏡の特徴について熟知している必要があり、また、術者と内視鏡を操る第2の術者の二人が息を合わせて行う必要があります。髄膜腫や神経鞘腫などの良性腫瘍や、三叉神経痛、顔面けいれんなどに対する神経血管減圧術などをこの方法で行います。特殊な手術法であり、まだ世界的にも普及はしていない方法です。ただ、我々はこれまでの成果から患者様に喜ばれる非常に有用な方法だと確信しています。当院ではこれまでの成果を踏まえ、新たに高性能の外視鏡を導入予定です。今後もさらなる患者負担の軽減、術式の改善を目指して邁進したいと考えています。

内視鏡下経鼻手術

当院の担当医は内視鏡下経鼻手術を数多く経験しており、4K内視鏡と、開発した手術道具を使用して安全で根治性の高い手術を行っています。下垂体腺腫、ラトケのう胞、頭蓋咽頭腫、鞍結節髄膜腫、脊索腫などがこの手術の対象となります。トルコ鞍周囲の病変に加えて、前頭蓋底、斜台部、海綿静脈洞などの病変にも適応を広げています。

術前MRI

術後MRI

頭蓋底悪性腫瘍に対する耳鼻科-形成外科合同手術

頭蓋底にできた悪性腫瘍に対する一塊切除手術を当院では行っています。耳鼻科と協力し、頭蓋底悪性腫瘍の完全摘出を目指します。この手術は、腫瘍を露出せずに正常域で切断する必要があり、複雑な頭蓋底の解剖を熟知していないと安全に行うことができません。当科の担当医はこの手術に対する知識と経験が豊富であり、良好な成績を修めています。この手術にも内視鏡や外視鏡を取り入れて新たな展開を試みています。

脳内、脳室内腫瘍に対する内視鏡下シリンダー手術

脳内、脳室内の腫瘍に到達するために、10-12㎜の透明の筒を使用して脳内に挿入し、内視鏡下に操作を行います。脳出血の内視鏡手術から発展した術式です。病変が脳の深部にあっても細いシリンダーを介して内視鏡が術野に入り、広く明るい視野で観察できます。また水中の観察も非常に有用です。脳室内腫瘍、神経膠腫、転移性脳腫瘍などがこの手術の対象となります。

脳出血、脳血管障害

当院では脳出血に対する内視鏡下血腫除去術を積極的に行っています。動脈瘤や脳動静脈奇形などの病変がない場合は内視鏡での手術を選択します。4㎝の皮膚切開、1.5㎝の穿頭にて、10㎜のシリンダーを使用して内視鏡観察下に血腫を吸引除去します。素早く安全に血腫を除去し、責任血管の処理を行うことができます。

また、カテーテル治療で対応が困難な脳血管障害に対して、脳神経外科の基本手術といえる、脳動脈瘤クリッピング術、浅側頭動脈‐中大脳動脈吻合術も行っています。そのほか脳動静脈奇形摘出術や、硬膜動静脈瘻根治術なども、外視鏡、内視鏡を駆使して、なるべく低侵襲な直達手術を行います。経験豊富な指導医の下、脳外科専攻医も積極的に参加します。

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