診療の概要
我々は脳の病を治す職人集団です。何よりも優先するのが患者です。病に悩む患者の力になるのが我々の生業です。患者に寄り添います。我々は病の専門家です。しかし、病と医師が同じチームメイトではありません。チーム編成は医師と患者のチームが病という敵に対して戦うという構図です。我々が患者と一緒に病と闘うのです。
そして我々の得意とするところは、なるべく、少しでも患者の負担を軽くしたいということです。究極の理想は、治療されたことを忘れてしまうほど容易に病とお別れしていただきたいのです。そのため常に心掛けているのが、低侵襲治療です。神経内視鏡、カテーテルの治療でなるべく体への負担を少なくします。
しかし、脳の領域の病気にはなかなか治療が難しい病気もあります。もちろん全力で治療にあたりますが、まだ人間にできる治療は限られています。何よりも一人の人間として患者の皆様に寄り添うことができればといつも考えています。
当科では低侵襲脳神経外科手術チームに加え、カテーテルによる治療を行う血管内治療チーム、背骨の病に手術を行う脊椎脊髄チームがあり、それぞれのチームに腕の立つスペシャリストがそろっています。それぞれのチームで最良の結果を求め、最小限の負担で済む治療を日々考えながら病に向き合っています。
チームの紹介(サマリー)

血管内治療チーム
脳血管内治療は2017年に脳血管内治療センターが開設されて以来,右肩上がりで症例数が増えています。当院の脳血管内治療は,未破裂脳動脈瘤に対する塞栓術や,脳動脈及び頸動脈の狭窄病変に対するステントを用いた血管拡張術などの予防的治療は定評がありますが,クモ膜下出血発症の破裂脳動脈瘤の緊急塞栓術や脳塞栓に対する血栓回収療法も多く行っています。さらに,高度な技術を要する脳動静脈奇形,硬膜動静脈瘻の他、外傷や脳腫瘍まであらゆる脳血管内治療をオールラウンドに実施しています。患者の受け入れに関しては、関連診療科間および病診・病病連携を通じて,治療困難な症例の積極的に行っております。さらに,教育・研究機関としての大学の使命を果たすべく,新しい機器開発,臨床データに基づくリサーチにも力を入れております。

低侵襲直達外科チーム
『最小の傷で最大の効果を』
内視鏡と外視鏡を組み合わせた独自の方法でなるべく最小限の傷で手術を完遂できるように取り組んでいます。複雑な頭蓋底の腫瘍も、4K外視鏡と内視鏡の組み合わせで最小限の傷から根治性が得られる手術に取り組んでいます。内視鏡を使った経鼻手術で下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫などの正中頭蓋底病変の摘出や、透明の筒を介した脳実質内腫瘍、脳室内腫瘍の摘出を行っています。内視鏡で隅々まで見ることができるので、顔面けいれんや三叉神経痛に対する神経血管減圧術も傷や剃毛を最小限で済ませるようにしていますので、好評です。一方頭蓋底外科センターとして耳鼻科、形成外科と合同手術を行い、頭頚部の悪性腫瘍の一塊切除、再建術にも取り組んでいます。



手術件数
2024年愛知医科大学病院手術実績(内訳)
| 頭蓋内疾患(脳血管内以外) | 327件 |
|---|---|
| 腫瘍摘出術 | 113件 |
| 開頭 | 77件 |
| 経鼻 | 24件 |
| 生検 | 12件 |
| 血管障害 | 47件 |
| 動脈瘤クリッピング | 9件 |
| 破裂 | 6件 |
| 未破裂 | 3件 |
| 脳内血腫除去術 | 25件 |
| 開頭 | 1件 |
| 内視鏡 | 24件 |
| 頭蓋内外バイパス術、CEA | 13件 |
| AVM、dural AVM | 0件 |
| 外傷 | 104件 |
| 急性硬膜外・下・脳挫傷血腫除去 | 14件 |
| 慢性硬膜下血腫穿頭術 | 90件 |
| 機能 | 27件 |
| 微小血管減圧術 | 26件 |
| 脳深部刺激術(DBS) | 1件 |
| 迷走神経刺激術(VNS) | 0件 |
| その他 | 36件 |
| 頭蓋形成術 | 10件 |
| 髄液短絡術 | 26件 |
| 脊椎脊髄末梢神経障害手術 | 282件 |
|---|---|
| 頸椎手術 | 89件 |
| 前方固定術 | 8件 |
| 前方除圧術 | 21件 |
| 後方固定術 | 18件 |
| 後方除圧術 | 41件 |
| 前後方同時固定術 | 1件 |
| 胸腰椎手術 | 140件 |
| 後方固定術 | 46件 |
| 後方除圧術 | 76件 |
| 前後方同時固定手術 | 16件 |
| BKP | 2件 |
| 脊髄腫瘍摘出術 | 23件 |
| 末梢神経腫瘍摘出術 | 3件 |
| 末梢神経絞扼性障害 | 23件 |
| 脊髄動静脈奇形 | 1件 |
| 脊髄空洞症、キアリ奇形等 | 0件 |
| 他 | 11件 |
| 脳血管内治療 | 267件 |
|---|---|
| 未破裂脳動脈瘤 | 75件 |
| コイル塞栓(下記以外) | 52件 |
| Pipeline+コイル | 7件 |
| Pipeline | 10件 |
| W-EB | 5件 |
| Surpass | 1件 |
| 破裂脳動脈瘤 | 23件 |
| 仮性動脈瘤 | 1件 |
| 切迫破裂 | 3件 |
| 頸部ICA狭窄 | 56件 |
| CAS | 53件 |
| PTAのみ | 3件 |
| CCA狭窄 | 3件 |
| CAS | 2件 |
| PTAのみ | 1件 |
| 硬膜外ICA狭窄 | 4件 |
| CAS | 3件 |
| PTAのみ | 1件 |
| 鎖骨下閉塞・狭窄 | 5件 |
| ステント留置 | 4件 |
| PTA | 1件 |
| 腕頭動脈狭窄 | 1件 |
| ステント留置 | 1件 |
| VA起始部狭窄 | 3件 |
| ステント留置 | 1件 |
| PTA | 2件 |
| VA狭窄 | 1件 |
| PTA | 1件 |
| BA狭窄 | 3件 |
| PTA | 3件 |
| 血栓回収療法 | 52件 |
| AVM | 7件 |
| dAVF | 12件 |
| Spinal AVF | 2件 |
| 腫瘍塞栓術 | 9件 |
| その他 | 7件 |
2024年:計876件
過去5年間の手術実績
横スクロールしてご覧ください →
| 内容 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
|---|---|---|---|---|---|
| 脳血管障害 | 34 | 43 | 35 | 28 | 47 |
| 脳腫瘍 | 104 | 103 | 122 | 147 | 113 |
| 外傷 | 91 | 86 | 81 | 70 | 104 |
| 水頭症 | 26 | 31 | 43 | 35 | 26 |
| 脊椎脊髄疾患 | 242 | 233 | 211 | 226 | 282 |
| 機能的疾患 | 20 | 23 | 34 | 31 | 27 |
| 先天奇形 | 2 | 4 | 6 | 3 | 0 |
| 血管内治療 | 229 | 249 | 210 | 259 | 267 |
| その他 | 32 | 22 | 38 | 39 | 10 |
| 総計 | 780 | 794 | 780 | 838 | 876 |
日ごろからサポートして
いただいている施設
連携施設
関連施設
サポートいただいているその他の施設
(五十音順)